わかりやすい?!建設業許可

建設業許可申請を「わかりやすく」をモットーに説明しています。

建設工事請負契約書は、作成しなければならないの?

f:id:yumetas:20210131094720p:plain

 

建設工事の契約では、決まった事項を書面に記載し、署名または記名押印して相互に交換しなければなりません。
(建設業法19条)

 

 

 

建設工事の契約を、口頭で済ませてはダメなの?

 

建設業法で、書面で作成しないといけないと違法になるよ。

 

建設工事の請負契約方法は?

 建設業法では、以下の理由から書面で契約を締結することを定められています。

  1. 請負契約の明確性
  2. 正確性の担保
  3. 紛争発生の防止

 

定められた事項を書面に記載し、請負契約の当事者がそれぞれ署名または記名押印して、相互に書面を交付しなければなりません。
少額で簡単な追加工事でも、変更契約書の作成が必要です。


契約締結の方法は、以下の3種類があります。

  1. 「建設工事請負契約」で締結する方法
  2. 「建設工事請負基本契約(または建設工事請負基本約款)+注文書+請書」で締結する方法
  3. 「注文書+請書」で締結する方法

 

①「建設工事請負契約」で締結する方法
工事を受発注するたびに、詳細な契約書を作成します。
単発で受発注を行うのに、向いている方法です。


②「建設工事請負基本契約(または建設工事請負基本約款)+注文書+請書」で締結する方法
基本的な事項を、「建設工事請負基本契約」に定めます。
個々の工事は、「建設工事請負基本契約」に基づき、個別契約をする方法です。
個々の工事で契約書の作成する手間を省くことができるため、継続的に受発注を行うのに向いている方法です。


③「注文書+請書」で締結する方法
注文書で、申込みの意思表示を行います。
請書で、承諾の意思表示を行います。
「注文書+請書」のセットで、「契約書」と同義と考えます。

 

 

契約書に記載すべき事項は?

契約書に記載すべき事項は、建設業法19条で定められています。
令和2年10月の改正建設業法の施工にて、14項目あった記載事項が、以下の16項目に増えました。

 

  1. 工事内容
  2. 請負代金の額
  3. 事着手の時期及び工事完成の時期
  4. 工事を施工しない日又は時間帯の定めをするときは、その内容
  5. 請負代金の全部又は一部の前金払又は出来形部分に対する支払の定めをするときは、その支払の時期及び方法
  6. 当事者の一方から設計変更又は工事着手の延期若しくは工事の全部若しくは一部の中止の申出があった場合における工期の変更、請負代金の額の変更又は損害の負担及びそれらの額の算定方法に関する定め
  7. 天災その他不可抗力による工期の変更又は損害の負担及びその額の算定方法に関する定め
  8. 価格等(物価統制令(昭和21年勅令第118号)第2条に規定する価格等をいう。)の変動若しくは変更に基づく請負代金の額又は工事内容の変更
  9. 工事の施工により第三者が損害を受けた場合における賠償金の負担に関する定め
  10. 注文者が工事に使用する資材を提供し、又は建設機械その他の機械を貸与するときは、その内容及び方法に関する定め
  11. 注文者が工事の全部又は一部の完成を確認するための検査の時期及び方法並びに引渡しの時期
  12. 工事完成後における請負代金の支払の時期及び方法
  13. 工事の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任又は当該責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結その他の措置に関する定めをするときは、その内容
  14. 各当事者の履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅延利息、違約金その他の損害金
  15. 契約に関する紛争の解決方法
  16. その他国土交通省令で定める事項


建設業法19条に違反した場合でも罰則はなく、違反行為が無効となるものではありません。
認可行政庁から、指示や勧告がなされる恐れはあります。
訓示的規定であっても、遵守することが望ましいです。

 

  

請負契約で注意すべき点は?

「著しく短い工期」が定められていないか?

「著しく短い工期」による請負契約を締結することは禁止です。
(建設業法19条の5)
「著しく短い工期」の判断基準は、明確なものとはなっていません。
無理な納期を設定していないか、検討するのがよいでしょう。

 

「工期に影響が及ぼす事項の情報提供」を行っているか?

「工期等に影響を及ぼす事項」があるときは、請負契約を締結するまでに、必要な情報を提供しなければならない。
(建設業法20条の2)
「工期等に影響を及ぼす事項」の判断基準は、明確なものとはなっていません。
正しい情報提供を行ったかどうかを、検討するのがよいでしょう。

 

「工期を施工しない日・時間帯」が定められているか?

「工期を施工しない日・時間帯」を定めるときは、建設工事請負契約に記載しなければなりません。
(建設業法19条)
土日祝を休む場合など、契約書に「工期を施工しない日・時間帯」について記載しましょう。

 

これらの決まりに罰則はあるのかなぁ?

 

訓示的規定なので罰則はないけれど、遵守することが賢明だよ。

 

 

yumetas-office.com