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経営事項審査の技術職員、常勤性書類をおさらい。

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経営事項審査の技術職員の常勤確認は、「審査基準日以前に6ヶ月を超える恒常的雇用関係がある方」が対象となります。
以前に以下のページで記載しましたが、今回はもっとおさらいでまとめてみました。

 

kensetsu.hatenablog.com

 

 

  

以前に常勤性について、まとめたんでしょ?

 

ややこしいので、おさらいで再度まとめてみました。

 

 

住民税の特別徴収とは?

 経営事項審査では、技術職員の「特別徴収税額決定通知書(特別徴収義務者用・納税義務者用)」を選択により、雇用関係の書類として提出できます。


「特別徴収」とは、給与支払者である事業者が、従業員に代わって住民税を納付する制度です。
確実に徴収することが可能になるため、給与支払者に義務として行われるようになりました。


流れとしては、以下のとおりです。

1.給与支払報告書の提出
源泉徴収の義務がある事業者は、給与支払報告書を1月31日までに役所へ提出します。

 

2.特別徴収税額決定通知書の送付
毎年5月31日までに、事業者宛に「特別徴収税額決定通知書(特別徴収義務者用・納税義務者用)」が送られます。

 

3.納付
事業者は原則として、特別徴収税額の納付を年間12回に分けて行います。

 


住民税は、前年の所得で算出し、5月31日までに通知書が送られ12月分に分けて納付します。
そのため令和2年分の特別徴収税額決定通知書は、「令和2年6月~令和3年5月」まで雇用していることを証明できます。

 

特別徴収義務者用

特別徴収義務者用

 

納税義務者用

納税義務者用

 

以下の表のように、令和3年1月や令和2年12月が審査基準日の場合、令和2年分のみでOKです。
令和2年6月~令和2年11月が審査基準日では、令和2年分と令和1年分が必要となります。 

特別徴収税額の必要な期間

特別徴収税額の必要な期間

 

 

大阪府の手引きでは、「住民税特別徴収税額通知書(特別徴収義務者用)の発行日または住民税徴収開始月の早い方から、恒常的雇用関係及び常時雇用の確認ができる」と記載されています。

11月中の審査基準日で、特別徴収義務者用の発行日が、5月中に発行されている場合、令和2年分のみで足りる場合があります。


「住民税特別徴収の切替」がまだ出来ていない場合は、市税事務所へ切替に行き切り替えます。
すぐに通知書が送られてきませんので、「住民税特別徴収切替依頼書(受付印のあるもの)」で代用します。

 

住民税特別徴収の切替

住民税特別徴収の切替

 住民税特別徴収税額通知書(納税義務者用)を紛失した場合は、本人の対象年度分の「住民税課税証明書」で代用できます。

 

 

 

住民税の課税証明書とは?

 経営事項審査で、住民税特別徴収税額通知書(納税義務者用)を紛失した場合は、本人の対象年度分の「住民税課税証明書」で代用できます。

 

また個人事業主の場合は、直近分の「課税証明書」を提出します。

 

技術職員で役員の報酬額が、最低賃金法から大阪府が一定の目安としている金額(月額10万円)を下回る場合は、直近分の「課税証明書」を提出します。
他に就労所得がないことを、確認するためです。
役員ではなく従業員が、月額10万円を下回る場合は、技術職員として認められません。

 

住民税の課税証明書

住民税の課税証明書

そもそも「課税証明書」とは、前年中の所得、控除の内容、当年度の市・府民税額の記載があるものです。
自治体によっては、「非課税証明書」「所得証明書」など名称が異なる場合があります。

 

課税証明書の発行は、「その年の1月1日時点に住所を置いていた自治体」になります。

 

 

  

標準報酬決定通知書とは?

 経営事項審査の技術職員で、「標準報酬決定通知書」のコピーが選択により、雇用関係の書類として提出できます。
「健康保険証」のコピーとセットです。

 

「標準報酬月額」は(4月~6月)の所得で、7月に提出された「健康保険・厚生年金保険の被保険者報酬月額算定基礎届」を基に、「標準報酬決定通知書」が封書で届きます。
これを「定時決定」といい、4月~6月の3か月間の報酬総額から1ヶ月の平均額を求め、標準報酬月額が決定されます。

 

会社は新しい標準報酬月額を基に社会保険料を計算し、給与から控除します。
適用年月は、(9月~翌年8月)です。

 

そのため所得のあった4月から、適用年月のあった翌年8月までの在籍期間を証明できます。
以下の表のように、審査基準日が9月の場合は、2期分必要となります。 

標準報酬決定通知書の期間

標準報酬決定通知書の期間

 

年間の途中で昇給や降給、雇用契約の変更などにより、報酬額が大きく変動する場合があります。
その場合に標準報酬月額を変更しないと、社会保険料の額が多すぎたり、少なすぎたりします。

 

その場合に、標準報酬月額を「随時改定」を行います。
随時改定は、月額変更届を提出します。

 

随時改定をした場合、日本年金機構より「標準報酬改定通知書」が送付されます。
改定された場合、経営事項審査では「標準報酬改定通知書」を提出します。


中途入社の技術職員の場合は、「健康保険被保険者資格取得届」を健康保険組合に提出します。
「厚生年金保険被保険者資格取得届」は、管轄の年金事務所へ提出します。

 

資格取得届の手続きを行い標準報酬月額等が決定されると、健康保険組合からは「資格取得確認および標準報酬月額決定通知書」「健康保険被保険者証」が事業所に送られます。
経営事項審査では、「資格取得確認および標準報酬月額決定通知書」のコピーを提出します。

 

審査基準日のあとに退職した方は、「健康保険証」は返却しているためコピーの提出ができません。
その場合は、「雇用保険資格喪失確認通知書」のコピーを提出します。


技術職員が75歳以上になると、健康保険の加入対象外になります。
都道府県の広域連合が運営する、「後期高齢者医療制度」に加入することになります。

 

 

 

後期高齢者の場合は?

 75歳以上の場合、「後期高齢者医療制度」に加入します。
健康保険の加入対象外になります。

 

経営事項審査では、住民税特別徴収をされている場合は、特別徴収税額決定通知書の「特別徴収義務者用」と「納税義務者用」のセットの写しでOKです。
特別徴収をされていない場合は、以下のセットのコピーが必要です。

  1. 後期高齢者被保険者証
  2. 70歳以上被用者標準報酬月額相当額改定および標準賞与額相当額のお知らせ


厚生年金は、70歳までです。
「70歳以上被用者」とは、70歳未満の人と同様に働き方は変わらないけど、厚生年金の被保険者ではない人という意味です。

 

70歳未満の厚生年金被保険者は、事業者が保険料を計算し日本年金機構に届け出ています。
70歳以上は厚生年金の保険料支払いがないため。日本年金機構は70歳以上の方の収入を把握できません。

70歳以上被用者に該当する従業員がいる場合、事業者は日本年金機構に届出をしなければなりません。


70歳以上被用者に、年齢の上限はありません。
「70歳以上被用者標準報酬月額相当額」とは、在職老齢年金による年金の支給停止額を計算する元となった金額のことです。


後期高齢者医療制度は、満75歳以上から国民健康保険から抜けて自動的に加入します。
特定難病や寝たきりなど、日常生活が難しい障がい者などは65歳から加入することができます。

75歳の誕生日前に、「後期高齢者医療被保険者証」の保険証が手元に届きます。

 

 

雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(被保険者通知用)とは?

いままで、「特別徴収税額決定通知書」や「標準報酬決定通知書」など記載しましたが、「雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(被保険者通知用)」のコピーを用意できたら一番簡単です。

 

雇用保険の加入手続きが、済んでいることを示す証明書です。
被保険者となった年月日などを確認できますので、常勤性を証明することができます。

 

雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(被保険者通知用)

雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(被保険者通知用)

 

雇用保険の年齢上限は、無くなりました。

被保険者の種類(区分)は、「1:一般労働者」「5:高齢者継続被保険者」となっている必要があります。
短期や季節労働者は、常時雇用されているとは認められません。

 

 

源泉徴収簿または賃金台帳とは?

 経営事項審査では、技術職員の「源泉徴収簿」または「賃金台帳」が提出書類です。
この書類で、審査基準日前に6ヶ月を超える雇用関係を確認できます。

 

事業者は所得税をあらかじめ差し引いてから、給料を振り込んでいます。
これを「源泉徴収」といいます。
従業員は自分で意識することなく、所得税を納めていることになります。

 

源泉徴収簿

源泉徴収簿

「源泉徴収簿」は、所得や社会保険料などを記入し、所得税を算出するために使用します。
法的に、作成する義務はありません。

 

源泉徴収票というものがありますが、「源泉徴収簿」とは別物です。
源泉徴収票は、1年間の給与を集計し、所得税を納付した証明書です。
所得税法で、発行が義務付けられています。

 

「賃金台帳」は、労働基準法で作成と保管が義務付けられています。
従業員に給与額、給与計算の基礎となる事項などを遅滞なく記載します。

 

経営事項審査では、「源泉徴収簿」または「賃金台帳」を提出することで、技術職員にきちんと給与を支払っていることを証明することができます。

 

 

これで完璧だね?

 

 

 

 

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