「しゅんせつ工事業」の許可を取るには?
建設業許可の29業種のうち、「しゅんせつ工事業」の建設業許可を取るために、押さえておきたいことをまとめています。
しゅんせつ工事業とは、何をするんだろう?
河川、港湾等の水底をしゅんせつする工事ですね。
しゅんせつ工事業とは?
しゅんせつ工事業とは、河川、港湾等の水底をしゅんせつする工事です。
安全な海の道をつくるために浚渫(しゅんせつ)船という船を使って海底の土砂をすくい取る工事です。
しゅんせつ工事には、「ポンプ浚渫(しゅんせつ)」と「グラブ浚渫(しゅんせつ)」があります。
「ポンプ浚渫」は、ストローで吸い上げるように、土砂と海水を一緒に吸い上げて海底を掘り下げる工事のことです。
面積が広くて、大量の土砂を扱う場合に使用されます。
「グラブ浚渫」は、海底の土砂をつかみ取って掘り下げる工事です。
岸壁などの構造物の近くや、狭い場所での工事も可能で、ポンプ浚渫船より固い土でも大丈夫です。
どのような工事かは、次のような例示があります。
しゅんせつ工事
他の工事と重複することはありません。
他の専門工事との境界で、悩むことはないでしょう。
しゅんせつ工事業の建設業許可を取得するには、経営業務の管理責任者等の共通要件に加え、しゅんせつ工事業の専任技術者が必要です。
しゅんせつ工事業の専任技術者になれる人は?
しゅんせつ工事業で、専任技術者になれる方は次のとおりです。
しゅんせつ工事業に対応している資格を持っていること
- 1級土木施工管理技士
- 2級土木施工管理技士(土木)
- 建設・総合技術監理(建設)技術士
- 建設「鋼構造及びコンクリート」・総合技術監理(建設「鋼構造及びコンクリート」)技術士
- 水産「水産土木」・総合技術監理(水産「水産土木」)技術士
学歴および実務経験で申請する場合
資格を保有していない場合であっても、指定学科卒業と実務経験で専任技術者になることもできます。
- 指定学科の高卒 + 舗装工事に関する実務経験5年以上
- 指定学科の大卒・高専卒 + 舗装工事に関する実務経験3年以上
以下の指定学科どちらか
- 土木工学
- 機械工学科
実務経験のみで申請する場合
資格や学歴がなくても、しゅんせつ工事に関する10年以上の実務経験があれば、しゅんせつ工事の専任技術者になることができます。
元請で受注して、なおかつ下請に対して総額4000万円以上の工事を発注する場合には特定建設業許可が必要になります。
特定建設業許可の専任技術者になれる方は、以下のみです。
- 1級土木施工管理技士
- 建設・総合技術監理(建設)技術士
- 建設「鋼構造及びコンクリート」・総合技術監理(建設「鋼構造及びコンクリート」)技術士
指導監督的実務経験で申請する場合
一般建設業におけるしゅんせつ工事の専任技術者になるための要件しか満たしていない場合でも、4,500万円以上のしゅんせつ工事の元請工事を2年以上指導監督した実務経験があれば、特定建設業におけるしゅんせつ工事の専任技術者になることができます。
しゅんせつ工事業は、分かりやすいイメージですね。
他工事と間違えるようなことは、あまりないと思います。