「さく井工事業」の許可を取るには?
建設業許可の29業種のうち、「さく井工事業」の建設業許可を取るために、押さえておきたいことをまとめています。
さく井工事業とは、何をするんだろう?
井戸や温泉等を掘る工事ですね。
さく井工事業とは?
さく井工事業とは、さく井機械等を用いてさく孔、さく井を行う工事またはこれらの工事に伴う揚水設備設置等を行う工事です。
「さく井」とは、一般的には井戸を掘ることです。
「さくい」ではなく「さくせい」と読みます。
どのような工事かは、次のような例示があります。
さく井工事、観測井工事、還元井工事、温泉掘削工事、井戸築造工事、さく孔工事、石油掘削工事、天然ガス掘削工事、揚水設備工事
「環元井」とは、地熱井から産出された熱水を地中に戻すための井戸や、発電を終えた蒸気の凝縮水を地下に戻すための井戸を言います 。
含有する化学成分の流出による環境汚染や,大量の熱水採取による地盤変動を考慮し地下還元を行うそうです。
「さく孔」とは、筒状の刃を高速回転させコンクリート削孔を行う技術です。
さく井工事業の建設業許可を取得するには、経営業務の管理責任者等の共通要件に加え、さく井工事業の専任技術者が必要です。
さく井工事業の専任技術者になれる人は?
さく井工事業で、専任技術者になれる方は次のとおりです。
さく井工事業に対応している資格を持っていること
- 技術士:上下水道「上水道及び工業用水道」・総合技術監理(上下水道「上水道及び工業用水道」)
- 技能検定の1級さく井
- 技能検定の2級さく井+合格後3年以上の実務経験
- 地すべり防止工事+合格後1年間の実務経験
学歴および実務経験で申請する場合
資格を保有していない場合であっても、指定学科卒業と実務経験で専任技術者になることもできます。
- 指定学科の高卒 + さく井工事に関する実務経験5年以上
- 指定学科の大卒・高専卒 +さく井工事に関する実務経験3年以上
以下の指定学科どちらか
- 土木工学
- 鉱山学
- 機械工学
- 衛生工学
実務経験のみで申請する場合
資格や学歴がなくても、さく井工事に関する10年以上の実務経験があれば、さく井工事の専任技術者になることができます。
元請で受注して、なおかつ下請に対して総額4000万円以上の工事を発注する場合には特定建設業許可が必要になります。
特定建設業許可の専任技術者になれる方は、以下のみです。
- 技術士:上下水道「上水道及び工業用水道」・総合技術監理(上下水道「上水道及び工業用水道」)
指導監督的実務経験で申請する場合
一般建設業におけるさく井工事の専任技術者になるための要件しか満たしていない場合でも、4,500万円以上のさく井工事の元請工事を2年以上指導監督した実務経験があれば、特定建設業におけるさく井工事の専任技術者になることができます。
さく井工事は、さく井機械を使って地面に穴を掘っていき地下水をくみあげることです。
大変危険を伴う仕事で、安全対策をしっかりしなければならない仕事ですね。