単価契約とはなあに?
建設業の契約では、「単価契約」という工事の締結方法があります。
公共工事の入札方式で交わされることが多い契約方法ですが、どういうものかまとめてみました。
単価契約とは何だろう?
例えるとメニュー表を見て、注文したものだけを支払うイメージでわかるかなぁ。
単価契約とは?
「単価契約」とは、一定期間内で規格や単価だけを予め決定しておき、請負金額は実績に基づいて決める契約方式です。
例えば、反復継続して行う簡易な維持補修工事や、緊急工事で数量を確定できない場合です。
以下の例のように、各工事ごとだと500万円以下なので軽微な工事になります。
しかし実際は、200万円+300万円+200万円=700万円のため、軽微な工事には該当しません。
請負った工事全体の請負金額で、判断します。
単価、数量及び契約金額を確定して行う契約方法は、「総価契約」といいます。
建設工事の完成を目的として契約をするため、「総価契約」も「単価契約」も建設工事の請負契約として認められます。
単価契約で気をつけるべきこと
建設業法では、工事内容、下請代金額、工期等を定めた契約書面を交わさなければなりません。
単価のみを記載しただけでは、建設業法違反になります。
建設業法19条では、以下のように記載されています。
建設工事の請負契約の当事者は、前条の趣旨に従って、契約の締結に際して次に掲げる事項を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない。
- 工事内容
- 請負代金の額
- 工事着手の時期及び工事完成の時期
- 請負代金の全部又は一部の前金払又は出来形部分に対する支払の定めをするときは、その支払の時期及び方法
- 当事者の一方から設計変更又は工事着手の延期若しくは工事の全部若しくは一部の中止の申出があつた場合における工期の変更、請負代金の額の変更又は損害の負担及びそれらの額の算定方法に関する定め
- 天災その他不可抗力による工期の変更又は損害の負担及びその額の算定方法に関する定め
- 価格等(物価統制令(昭和21年勅令第118号)第2条に規定する価格等をいう。)の変動若しくは変更に基づく請負代金の額又は工事内容の変更
- 工事の施工により第三者が損害を受けた場合における賠償金の負担に関する定め
- 注文者が工事に使用する資材を提供し、又は建設機械その他の機械を貸与するときは、その内容及び方法に関する定め
- 注文者が工事の全部又は一部の完成を確認するための検査の時期及び方法並びに引渡しの時期
- 工事完成後における請負代金の支払の時期及び方法
- 工事の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任又は当該責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結その他の措置に関する定めをするときは、その内容
- 各当事者の履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅延利息、違約金その他の損害金
- 契約に関する紛争の解決方法
そして工事の完成を目的とするのではなく、単に労働力の提供のみに契約すると「偽装請負」と判断されます。
労働者派遣法では、建設業務で労働者派遣事業を行ってはなりません。
ちなみに大阪府の経営事項審査では、単価契約の契約書を提出する場合、指示書の写しが必要です。
多数となる場合は、指示書の写し5件分と総括表が必要です。
大規模工事だと、いちいち契約を交わすのは面倒だから「単価契約」のメリットってあるんだね。
早期契約の必要が問われるケースや、一定の技術力を必要とする工事で契約されますね。