完成工事高の振替とは?
経営事項審査では、完成工事高を業種間で振り返ることができる特例が設けられています。
特定の業種へ振り替えることで、ポイントアップした業種の底上げが出来ます。
じゃあ、がんがん振替をして点数アップしちゃおう。
いえいえ、何でもかんでも振替できるわけではなく、きちんとルールがあるんですよ。
「専門工事」 → 「一式工事」への振替え
決算変更届では専門工事として計上しているが、経営事項審査では一式工事(土木工事、建築工事)で計上を認めることができます。
土木的な専門工事は、土木一式工事のみ振替えができます。
建築的な専門工事は、専門一式工事のみ振替えができます。
土木的な工事と建築的な工事の判断は、明確な回答は手引きに書かれていません。
振替えが出来る可能性のある専門工事は以下になります。
土木一式工事への振替
- とび・土工・コンクリート工事
- 石工事
- タイル・れんが・ブロック工事
- 鋼構造物工事
- 鉄筋工事
- ほ装工事
- しゅんせつ工事
- 水道施設工事
建築一式工事への振替
- 大工工事
- 左官工事
- とび・土工・コンクリート工事
- 屋根工事
- タイル・れんが・ブロック工事
- 鋼構造物工事
- 鉄筋工事
- 板金工事
- ガラス工事
- 塗装工事
- 防水工事
- 内装仕上工事
- 建具工事
- 解体工事
どちらか悩む場合は、建築振興課へ事前に相談した方が良いです。
注意点として、以下があります。
- 振替元の専門工事と、振替先の一式工事ともに、建設業の許可が必要です。
- 専門工事の売上高の一部のみを振替ることは出来ません。全て振替える必要があります。
- 審査対象年だけでなく、直前2年又は3年の完成工事高も、全額一式工事に参入する必要があります。
- 振替元の業種は、審査対象にはなりません。
「専門工事」 → 「専門工事」への振替え
相互に関連性のある専門工事を、工事相互間で完成工事高の振替えができます。
決算変更届では振替元専門工事に計上し、経営事項審査では振替先専門工事で計上を認めることができます。
ただし以下のように、限られた工事のみが対象です。
- 電気工事 ←→ 電気通信工事
- 電気工事 ←→ 消防施設工事
- 管工事 ←→ 熱絶縁工事
- 管工事 ←→ 水道施設工事
- 管工事 ←→ 消防施設工事
- とび・土工・コンクリート工事 ←→ 石工事
- とび・土工・コンクリート工事 ←→ 造園工事
- とび・土工・コンクリート工事 ←→ 解体工事
- 塗装工事 ←→ 防水工事
- 屋根工事 ←→ 防水工事
注意点として、以下があります。
- 振替元の専門工事と、振替先の一式工事ともに、建設業の許可が必要です。
- 専門工事の売上高の一部のみを振替ることは出来ません。全て振替える必要があります。
- 専門工事同士の振替えでは、今年は完成工事高を振替えるけど、直前2年又は3年の完成工事高は振替えないということが出来ます。
- 振替元の業種は、審査対象にはなりません。
振替をするための注意点
振替はルールに従い、申請者が任意に選択できます。
ただし本当に振替えてもよいか、検討すべきです。
発注者によっては、「完成工事高の振替え」を認めていないケースもあるため、発注者にあらかじめ確認しておくことが必要です。
例えば、「土木一式業」と「とび・土工・コンクリート業」の許可を持っており、どちらも売上げがあり、振替えをすべきか悩んでいる場合です。
発注者が「土木一式業」を重点にしている場合は、「とび・土工・コンクリート業」を振替えしたほうが有利でしょう。
発注者が「土木一式業」と「とび・土工・コンクリート業」の両方を重視している場合は、振替えはしない方が良いです。
振替をするための記入方法
振替えをおこなった場合は、振替えの計算式を記入する必要があります。
「工事種類別完成工事高付表」に、振替に係る計算式を記載ください。
なんか、ややこしいなぁ。
ルールを理解すれば、得点アップには欠かせない制度だからねぇ。