わかりやすい?!建設業許可

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経営事項審査の経営状況(Y)を評点アップするには?

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経営状況(Y)は、経営事項審査全体の評点20%の割合があります。
詳しくは、以下のページで記載しました。

kensetsu.hatenablog.com

 

この「経営状況(Y)」を評点アップする方法や、注意点などをまとめていきます。

 

 

  

経営状況とは、何を意味しているんだろう?

 

経営状況は、財務諸表の数値から導き出せれる数値ですよ。

 

経営状況(Y)の求め方は?

 経営状況は以下のように、8指標の数値(Y1~Y8)から経営状況点数(A)をまず求めます。
その経営状況点数(A)を、経営状況評点(Y)の式に当てはめます。


8指標の数値(Y1~Y8)

①負債抵抗力
(Y1)純支払利息比率
売上高に対する、純粋な支払利息の割合をみる比率です。

(Y2)負債回転期間
負債総額が、月商の何ヶ月分に相当するかをみる比率です。


②収益性・効率性
(Y3)総資本売上総利益率
総資本に対する、売上総利益の割合を示す比率です。

(Y4)売上高経常利益率
売上高に対する経常利益の割合で、経常的経営活動による収益力を示す比率です。


③財務健全性
(Y5)自己資本対固定資産比率
設備投資などの固定資産が、自己資本で調達されているかを示す比率です。

(Y6)自己資本比率
総資本に対して、自己資本の占める割合を示す比率です。


④絶対的力量
(Y7)営業キャッシュフロー
企業の営業活動により生じた、キャッシュの増減をみる比率です。

(Y8)利益剰余金
企業の営業活動により、蓄積された利益のストックをみる比率です。

 

Aの求め方
経営状況点数(A) = -0.4650×(Y1) - 0.0508×(Y2) + 0.0264×(Y3) + 0.0277×(Y4) + 0.0011×(Y5) + 0.0089×(Y6) + 0.0818×(Y7) + 0.0172×(Y8) + 0.1906(小数点第3位を四捨五入)

 

Y点の求め方
経営状況評点Y = 167.3×A(経営状況点数)+583

 

計算は、とてもややこしいですね。

経営状況(Y)は、経営状況分析申請を行うことで求めます。
経審を申請する前に、経営状況分析申請を行い、Y点を先に求めなければなりません。

経審では、Y点を求めた審査結果通知書の原本が必要となるのです。

 

審査結果通知書

審査結果通知書

このY点を求めるには、登録経営状況分析機関に申請します。
登録経営状況分析機関は、追加または廃止される場合があります。
「国土交通省ホームページ」より、最新の分析機関を確認することができます。

www.mlit.go.jp

 

どの分析機関を選んでも、結果は同じです。
料金やサービスを比較して、自分に合うものを選択しましょう。


ちなみに決算変更届より、経営状況分析申請を先にしたほうが良いでしょう。
決算変更届を先に提出したあとに、経営状況分析申請で修正を受けた場合は、決算変更届も訂正しなければならないためです。
訂正するときは、「建設業の係る訂正の届出書」を提出する必要があります。

 

建設業の係る訂正の届出書

建設業の係る訂正の届出書

 

 

Y評点を上げるには?

Y評点を上げるには、財務内容の改善をすることです。
財務内容はすぐに改善できないため、経営事項審査の仕組みを理解した税理士と相談しながら中長期的に健全化を目指した方がよいでしょう。

Y評点を上げるには、経審の仕組みを理解したうえで決算書を作成することです。

 

  1. 金利を意識して支払利息を下げ、受取利息は正確に計上しましょう。
  2. 借入金を返済し、負債を減らしましょう。
  3. 削減できる経費はないか、利益を追及しましょう。
  4. 建設機械を購入せずにリースを活用したり、固定資産を減らしましょう。
  5. 増資を検討し、資本金を増やしましょう。

 

 

経営状況(Y点)とは、ややこしいですねぇ~。

 

一筋縄では、いかないところですね。

 

 

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